【ツイッター終了か?】閲覧制限はなぜ起こったのか?不可解な運営対応

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ツイッターはどこへ?

今回のツイッター閲覧制限騒動をまとめておく。また昨年から起こっている大量解雇や、ツイッターの業績不振などにも触れている。今回の不具合は今後も大きな影響を与えそうだ。Twitterの厳しい現状に迫る。

目次

ツイッターは終了なのか?

今回の閲覧制限騒動によりツイッターのユーザー離れが進むのだろうか。
7月6日に予定より前倒しでスレッズ(Meta社)がリリースされた。
スレッズは「ハッシュタグをつけることができない」「投稿検索ができない」「トレンドが見れない」など、不十分な点も多い。
一方でツイッター日本語版は2008年4月からサービスが始まっている。歴史もあり世界的に見ても日本人にはとくに利用率が高いSNSと言われている。

日本のSNS利用者は8,270万人(普及率82%)

  • LINE 79.5%
  • YouTube 62.0%
  • twitter 55.9%

ICT総研 2022年度SNS利用動向に関する調査より抜粋

閲覧制限

2023年7月1日に起こった閲覧制限

閲覧できる投稿件数(1日当たり)
認証済みアカウントは6,000
未認証は600
新規の未認証300

その後の引き上げ措置
認証済み6,000→1万
未認証600→1,000
新規の未認証300→500

上記の制限に達したアカウントは何もできないようになってしまう。

閲覧制限の理由

閲覧制限がかかったアカウントには下記の画面が表示された。
やりなおすをクリックしても、制限が解除されないと画面は変わらない。

ツイッター閲覧制限画面

イーロン・マスク氏によると「極端なレベルのデータ取得とシステム操作に対処するため」とのことだった。
この一時的な制限は「データ・スクレイピングとシステム改ざんに対処するため」と説明。

スクレイピングとは

スクレイピング(Scraping)は削るという意味があり、収集した大量のデータの中から余分なデータを削ぎ落とし、特定のデータだけを抽出すること。

AI開発企業による情報吸い上げ阻止

今回のスクレイピングにより、AI開発企業がツイッターから情報を吸い上げるのを阻止しようとした。マスク氏によると「極端なレベルのデータ取得システム操作に対処するため、サーバーに負荷がかかる」と主張。

AI開発企業はツイッターからだけ情報取得しているわけではないはず。
なぜツイッターだけが閲覧制限してまでスクレイピングを実行したのか?

マスク氏のAI開発に対する考え

マスク氏は現在のAI開発に否定的。
ただしAIのすべてがダメだと言っているわけではない。

イーロン・マスク氏や人工知能(AI)専門家、業界幹部らは公開書簡で、AIシステムの開発を6カ月間停止するよう呼びかけた。社会にリスクをもたらす可能性があるとして、まずは安全性に関する共通規範を確立する必要があると訴えた。
オープンAIが開発したAI対話ソフト「チャットGPT」の最新版言語モデル「GPT─4」に言及し、これを上回るシステムを開発停止の対象にすべきとした。

公開書簡は非営利団体「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート(FLI)」が発表。マスク氏や米アルファベット傘下ディープマインドの研究者、英スタビリティーAIのエマド・モスタク最高経営責任者(CEO)、AIの大家であるヨシュア・ベンジオ氏やスチュワート・ラッセル氏など1000人以上が署名している。

独立した有識者が先端AI開発の安全性に関する共通規範を策定、実行、検証するまでAIの開発を停止するよう呼びかけた。

「強力なAIシステムは、好ましい効果があり、そのリスクが管理可能であると確信できる場合にのみ開発されるべき」とした。

書簡は人間と競争するAIシステムが経済的・政治的な混乱という形で社会と文明にもたらし得るリスクを詳述し、開発者に対し、ガバナンス(統治)担当の当局や規制当局と協力するよう促した。

ロイターより抜粋

上記のようなマスク氏の考えがあるため、今回の閲覧制限をしてでもスクレイピングを実行したのではないか。

イーロン・マスク氏本人も制限がかかる

「レート制限に関するすべての投稿を読んだため、レートが制限されています」とイーロン・マスク氏本人のアカウントにも制限がかけられる事態となっていた。

埋め尽くされたトレンド

トレンドはツイッター関連ワードで埋め尽くされた。

  • Twitterサ終
  • API規制
  • Twitterオワコン
  • Twitter終わり
  • 閲覧制限

APIとは

API(Application Programming Interface)とは、接続先のOSを呼び出すことや互いのソフトウェアやアプリケーション機能の一部を共有すること。

閲覧制限と同時にサブスク勧誘

下記画面が表示されていたときに、ブラウザ画面右側では「認証を受ける サブスクライブして新機能を利用しましょう。」というのが表示されていた。

ツイッター閲覧制限画面
ツイッター認証を受ける画面

今回のトラブルを期に有料会員を増やそうとしていたのではないか?
これが不可解な運営対応だったが、ツイッターの苦しい現状が露呈している。

Twitter Blue

月額980円
年間10,280円

「誰がこの状況で有料会員になるねん!」とツッコミたくなる。
有料会員になれば制限はかかりません、ということならまだ可能性はあるが、有料会員も制限がかかっていたのだ。
認証済みアカウントの制限6,000→1万

長文ツイート機能

ツイッターブルーでは長文最大500文字までのツイートを投稿することができる。

この長文ツイートについてはツイッターが迷走している象徴といえる。理由はツイッターの本来の良さは「140文字でツイートする」ということにあるためだ。
長文でツイートできるなら「それってブログじゃん!」という話になる。

ただ従来の長文ツイートができないことにより「詳しくはブログで書いてます」「動画で詳しく」など別サイトに誘導されることが多いのも事実。そのためツイッターからの離脱率が増えてしまう。
ツイッターとしては他サイトに移動するのではなく、ツイッター内でサービスを利用し続けてほしいのが本音だろう。

こんな荒療治のようなサブスク移行を試みるTwitterは、相当業績が悪いのかと思えるので調べてみた。

業績赤字のTwitter

売上は堅調に右肩上がりで、2021年には売上高50億ドルだった。
しかし営業利益の推移は2020年は再び赤字に転じており、赤字額が拡大傾向にある。2021年は4.1億ドルの赤字。黒字の時期もあったが2022年3月期以降は再び赤字に転じる。

マスク氏がTwitter買収後非公開化したことで、今後の業績を公表するかどうかは不明。

2022年の大量解雇

2022年にTwitterは7500人いた従業員の半数にあたる約3700人を解雇している。
ただしこれはツイッターだけの話ではなく、アマゾン(amazon)、メタ(Meta)、ネットフリックス(Netflix)といった大企業でも大規模な人員削減を行っている。

2023年6月14日にアマゾンAWSも大規模障害が発生したが、今回この件の詳細には触れないでおく。
ツイッターのサービスとしての品質低下が、大量解雇にも起因しているのではないか。システム対応ができる重要な人材まで不足しているのでは?

これからの中心は日本

スマートフォンツイッター画面

2022年にツイッターを買収したイーロン・マスク氏は社内会議で「ツイッターは米国中心であるかのように見えるかもしれないが、どちらかと言えば日本中心だ」と述べたと報じられている。
人口に占めるユーザーの割合が日本は米国の約2倍にのぼり、同社のSNS(交流サイト)が活発に使われていることに注目しているとみられる。

日本の人口は米国の約3分の1であるにもかかわらず、日本には米国とほぼ同じ数のデイリーアクティブユーザー(1日当たりの利用者数)がいる」と説明したという。

報道によるとマスク氏は日本でのツイッターの利用率の高さを理想的な姿であると指摘したうえで、「例外なくすべての国で目指すべきだ」と強調した。ユーザー数が多い日本やインド、インドネシア、ブラジルなどにエンジニアリングチームを分散させ、英語圏以外のサービス開発に力を入れる考えも示した。

なぜ日本のツイッター利用者が多いのか?

これについてはツイートが140文字まで、ということが理由と言われている。

漢字を使用する日本人にとっては、少ない文字数でも伝達することができるためだ。

敏感なインフルエンサーはすでに撤退済み

すでにインスタグラムなど他のSNSサービスを利用する人も多い。
ブログで有名なマナブさんは2023年5月1日に下記のようなツイートをしている。

マナブ SNSを辞める理由をツイート

ブログ記事の内容は「SNSは幸福度が下がる」「AI化が進んでおりファンが増えづらい」などの理由を挙げている。
ツイッター単体の批判的な理由でSNSを辞めるわけではなく、SNS自体がピークをすぎて飽和状態になっており、顧客の奪い合いにフェーズが変わっているということだ。

「フォロワーを伸ばす」「ツイートをバズらせる」というのは困難になっていく、という予測のもとSNSからは身を引くと判断。

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今後の展開

ツイッターにおいてはあまり良い見通しを立てれないのが正直なところだ。理由はすでにユーザーが不都合に感じているためだ。

今回のツイッター閲覧制限騒動は、2023年7月1日~2日までほぼ丸1日ツイッターが使えない状況だった。ユーザーによって使えない時間に差はあったかもしれない。
このような事態が起こってしまうとユーザーは、他のサービスを求める。マストドンやインスタグラム、ミクシィなどもトレンド入りし、「Twitterの代わり」を探す動きもすでに出ている。
ツイッターが閲覧制限中は、地域特化の掲示板サービス「爆サイ.com」も急激なユーザー流入によりトラフィックが急増しサービスの一部が利用しづらい状況が発生した。

業績を改善するために、有料会員を優遇するスタンスを前面に出すとユーザー離れが顕著になるのは確実だ。なぜなら無料会員もストレスなく使えることで、アクティブユーザーがツイッターを盛り上げている現状がある。
ツイッターのトレンド情報などは、アクティブユーザーが一定数いることで機能しているのだ。
ツイッター内でのサービス提供者、サービス消費者のバランスが崩れつつあるということは、ツイッターはすでにプラットフォームの役割として赤信号となっている。

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